SSブログ

パッチギ!LOVE&PEACE [映画関連]

2007年 井筒和幸監督

パッチギ!」の続編。前作は1968年の京都を舞台にしていたが、その約5~6年後、70年代前半の東京が舞台である。

前作のレビューで"私の育った地域には朝鮮中学校や高校があり、チョゴリ風制服もよく見かけた" と、書いたが、なんと今回はもろにそのあたりが舞台のようで、冒頭で大喧嘩が行われる駅名もなじみのところ。
そして年代的にも今度は私も生まれているので、(まだほんのガキだが)、時代描写にも懐かしいところがあった。大磯ロングビーチで行われるアイドルの水泳大会とかね。

前作は日本社会と在日コリアンコミュニティの確執や様々な問題を背景にした青春映画であった。色々問題はあるけど、若さで突っ走る勢いが頼もしかった。本作では、その主人公達が大人になっている。もう若くて無力だけどエネルギーだけは有り余っている、とは言えなくなってしまった。いろんなしがらみもあるし、知恵もついたし、彼らを取り巻く問題も前作の頃とは比較にならないほど増え、多様になっている。
で、結局なんだか映画全体もいまひとつ熱気に欠ける雰囲気で終わってしまった気がする。

子供の難病と異文化の確執と。さらに戦中のことを振り返って命のことを語ってみたり、盛り込みすぎて主題がわかりにくいのもあるが、結局そういう風に問題が沢山あってどれも簡単に解決できないのが人生といえば確かにそうかもしれない。それで最後はとにかく暴れてわらってしまえ!と言うのが「パッチギ!」シリーズのような気もするが、本作にはそのパワーがちょっと足りなくて、すっきりできないのである。

戦中の描写が、私が知識がないばかりに公平なものなのかどうかわからずなんとも未消化な気分で見てしまったのも残念。もっと勉強せねば。

出演者たちはみんな好演していたと思う。藤井隆がとくに良かった。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。