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ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない [映画関連]

2009年 佐藤祐市 監督

本作を見て抱く感想は、その方々がどんな職場で働いているか、が色濃く反映されることが多い。
まさにブラック会社で働く方は身につまされるか、いや現実はもっと酷いととるか。運よく恵まれた環境で働いている方はぴんと来ないだろうし、無職だったら単純にフィクションとして楽しむことができるのかも。

さて私はといえば、現在は無職だが数年前まで働いていたのはIT業界、まさに本作の舞台と同じ業界である。

私が働いていた会社も、まあそれなりにいい会社だったのだけれど、ブラック企業の条件をところどころ満たしているような部分もあったので、そこそこすごいことはよく起こっていた。この映画を観ると、ついつい自分の会社ではこうだった、とブラックな事例を出したくなる。でもそこはぐっとこらえておくことにする。
本作で描かれる会社は相当ブラックだ。と、思うんだけれど、現実と比べて酷いと感じるのは経費がことごとく認められないことくらいかなあ。それ以外は似たようなことを多かれ少なかれ経験したり見聞きしてきた気がする。

映画では主人公は中卒の元ニートだからブラック会社で働くハメになり、あくどい先輩のせいで仕事量が増えてしまうのだが、それは作劇上の救済措置ではなかろうか。
現実には東大出の人材もやすやすとブラック会社に吸い込まれていくし、高学歴でありながら薄給でデスマに耐え無茶な要求をこなしている社員も多い。
IT業界は他業界に比べ歴史が浅いのもあり、デスマが生まれる要因のほとんどが構造的な問題である。そうしてブラック会社の話題がブームを過ぎた後もワーキングプアという社会問題があちこちで起こっているのである。
でもそんなこと描いた映画は見ていて気が重くなるだけ。コメディタッチにするためには、主人公は元ニートくらいにしておいたほうが賢明である。

入社直後にこきつかわれるならまだマシというもの。そこからでも育つ人は育つし、雑草のようにたくましく育って図太く働けるようになると結構楽しいものだし。
映画も結局そういうところに着地する。でもそれは決していいことじゃないのだけれど。ブラック会社でも生きていける自分になってしまうことは、勝ち組への道からはちょっと遠い。
本当に絶望するのは、5年たっても10年たっても最初の状況が変わらず昇給も先の展望も望めないときである。本作の主人公、マ男もおそらく数年後にはそういう状況になっていることだろう。

こんな内容の映画だけれど小池徹平の可愛さ(?)やデスマ中もお肌ツルツルのマイコちゃんのおかげもあってか、現実味なく明るく見ていられる。社員もみんなきちんと座ってデスマしているしね。

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Sho

kenさんのこの作品の記事にも書かせていただいたのですが、たいていの人は自分のことを「自分はブラック会社に勤めている」と思っているような気がします。
satocoさんが書かれたように、現実には高学歴の人であろうと非常に高いスキルを持った人であろうと、ブラック会社に勤めているし、スキルを全然活かせない仕事についていたり、ワーキングプアであったり、それ以前に仕事に就けていなかったりするわけですよね。
>5年たっても10年たっても最初の状況が変わらず昇給も先の展望も望めないときである
私はまさに、↑イマココ 状態です(笑) こういう題材をフィクションにするなら、やはり笑える作品にしないと辛いんでしょうね。
マイコは「龍馬伝」で見て、すごくいいと思いました。
お休み中に見てみたくなりました。
by Sho (2010-12-29 14:00) 

ken

2ちゃんで盛り上がった理由も分かる気がしました。
多かれ少なかれ、みんな同じような境遇で働いているんですよね。
もちろんごく少数、「なにそれ?」的な人たちもいるでしょうけど。
そして今の就職氷河期は、「ブラック会社にだけは勤めたくない」という
卒業予定者の選り好みによって発生していると確信しました。
by ken (2010-12-29 16:54) 

satoco

>shoさん
ブラック会社ってチェックリストがあるので自分の会社がそうなのか、客観的に調べられるんですよ。概要としては不条理な会社の中でも違法性が高い会社がブラックかなーと。
 >私はまさに、↑イマココ 
ここでさくっと転職できる人は負のスパイラルにはまらずすいすい世渡りできる確率が高いですね。そういう人には不利な条件で働き続ける人は全く理解できないものなんですよ。私もさんざん「なんで転職しないの?」って言われてました(笑)
nice! ありがとうございます。

>kenさん
「なにそれ?」というか、「そんな会社辞めればいいじゃん」という人はごく少数ではなくて結構な数いるという印象です。そして、できたらそうした方がいい気がするんですけど....そもそも不公平だと感じながらついつい自分がかぶって働いてしまうような人にはそんな身軽さがあるわけがないです。

昨今の新卒関係は、企業も学生も二極化が進む一方ですね。企業は一握りの優秀な学生が欲しく、学生は一握りの理想的な会社に入りたがる。あぶれる大多数の企業と学生が、いい学生がいないと嘆き、職がないと嘆いています。

nice! ありがとうございます。
by satoco (2010-12-30 22:32) 

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