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しあわせの隠れ場所 [映画関連]

2009年 ジョン・リー・ハンコック 監督

数十年前に「オバタリアン」なんて言葉もあったが、おばちゃんというのは世界最強の存在なんじゃないかと思う。私自身も立派なおばちゃんになるにつれ、なんとなく自分が無敵のような気がし始めているし。いやおばちゃんというよりオカンというべきか。強いのは。母じゃなくてオカンね。

環境に恵まれないが才能がある黒人の少年を、白人の富豪家族が引き取り、のちに少年が才能を発揮してプロフットボールプレイヤーになる話。実話だが、映画としてはそんなに目新しいストーリィではない。
でもちょっと面白く見られるのは、この家族の舵を取るのも黒人少年の心を引き寄せるのも、一貫して家族のオカンが強引に引っ張っており、家族はそれに快くついていくという図式が妙に収まりがいいから。そしてその強気なヒロインがものすごく格好いいからである。
少年をいきなり家に呼んだりしても誰も反対しない。少年もさほどとまどわない。まあかなり従順そうな子ではあるけど、というより「オカンに命令されるとさからえない」という空気が充満しまくりなのだ。そういう場面が何度も出てくる。

同じ年にラジー章も取ったサンドラ・ブロックが本作でオスカーを受賞。当たり役である。
私はサンドラ・ブロックはあまりファッションのセンスがないと思う。本作では見事なセレブファッションを身にまとっているが、本人のダサさがところどころチラチラと見えていて、おかげでヒロインがお高くとまったマダムではなく、強いパワー(資金力も含めて)を持った気さくなオカンに見えて、逆にいいのである。
己のおばちゃん化を恐れる女性は本作を見て、いい身なりと伸びた背筋と豪快な笑みがあれば大丈夫だと安心してほしいくらい。

映画としては、登場人物がいいところばかり描かれていて深みがなく、ドラマとしては物足りない。しんみりした演出はあえてあっさりと切り上げ、お涙ちょうだいではなく明るい話になっているのがいいところ。
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noel

あのママの激進?爆進?(こんな言葉がるのか)ぶりが痛快でしたね。
所々にちゃんと世の中が見えるのがよかったとおもっています。

by noel (2011-06-29 10:03) 

satoco

まさに爆進という感じでしたねww所々世の中が見えるのは実話の強みかもしれません。
nice! ありがとうございます。
by satoco (2011-07-27 23:11) 

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