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東京島 [映画関連]

2010年 篠崎誠 監督

無人島に漂着した、一人の中年女と20余人の若い男。実在のアナタハン事件が着想のもとのようだが、いかにも女性作家が食いつきそうな設定だ。

無人島ものと言っても、そこでの生活の苦労だったり、ハウツーだったり、海の美しさだったり、大自然だったり、そういうものは映画の中ではほとんど描かれない。ストーリィの主眼はとにかく閉ざされた環境での欲望がおりなすパワーゲーム。私はそういうのは嫌いじゃない。

が、その欲望の方で人間性が掘り下げられているのかというとそういうわけでもなく。原作未読のため、彼らの欲望ドラマに「蠅の王」なみの強烈さを期待してしまったのだけれど、そういう話ではないのだった。生き残ることにも他人を出し抜くことにもさほどの必死さを感じない。人々はなんとなくぼんやりしていて、これこそが草食系男子というものなのか、不思議な人間関係がファンタジックに展開していく。唯一の女性であるヒロインは図太いが、それでもまだまだぬるいし。

なんとも不思議な作品だが、ひょうひょうとユーモアがあってそこそこ楽しめる。エルメスのスカーフがとてもきれい。

ヒロインの木村多江はミスキャスト。40を軽く過ぎたさえない女性のはずが、若々しく清潔感がありすぎた。もっと完熟に近い女性が演じていた方が真実味もおかしみも出たことだろう。


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