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書きそびれていたモノ、いくつか。まだあるけど [映画関連]

あっという間に今年も終わりつつあります。すっかり放置してしまいました。
物理的な忙しさもまああるにはあるのですが、頭の方がとっちらかっていて映画を観てもそれを言葉にまとめることができない状態でした。

が、一応観ていた映画のことをちょっとずつだけでも書いておきたいと思います。
今回手抜きバージョンなのでいつも書いている製作年度や監督名も省略。

---さてここから順次書いていきます。


告白

原作と同様、第一部「聖職者」にあたる教師のモノローグに近い教室の部分のみ斬新、その後はややありきたり。中島監督の凝った映像も今回は通俗的。
松たか子はさすが、徹底的に格好いいピカレスクヒーローだった。しかし彼女の実力はまだまだ先がある。ぜひもっと出ずっぱりの作品を観てみたい。


十三人の刺客

荒唐無稽だが面白い。意味のある豪華キャスト。他の映画ならぼかしてしまいそうなどぎつい描写もしっかり描いたことで観ているこちらのテンションも上がってくる作品。刺客たちの黒装束がヒーローの衣装みたいで格好いいなあ。稲垣悟郎が評判どおり良い。ジャニーズのスターとして大作映画の主演をするよりも、役者として市村正親や役所公司たちの間に並ぶことの方がよほど名誉である。


トロピック・サンダー/史上最低の作戦

これこそ意味のある豪華キャスト。もしこれだけの豪華キャストでなく撮影していたら面白さは半減していただろう作品。脚本も豪華キャストに見合う凝りよう。面白い。トビー・マグワイアがますます好きになる。トム・クルーズはこういう仕事が多分一番好きなんじゃないかなあ。


マーサの幸せレシピ/幸せのレシピ

オリジナルはドイツ映画の佳作。というより傑作。ハリウッドリメイクは凡作。つまらなさの原因は演出のぬるさと脚本の改悪に起因していると思う。ためしに冒頭の数分を見比べると、それだけでオリジナル版の切れのよさにほとほと感心する。ほぼ似たような要素が似たような雰囲気で描かれているのに、大事な肝をはずすとここまでグダグダになってしまうという悪い例、と言ったら言い過ぎか。さらに重要な設定がハリウッド版ではばっさりなくなっていたり、堅物のドイツと陽気なイタリアの構図もなくなってつまらない。ただしキャサリン・ゼタ・ジョーンズは今回もいい女である。が、いい女過ぎて料理バカの朴念仁には見えないのがまた難点。
オリジナルは実は初見の後立て続けに数回見返してしまったくらい好きな作品。書いていたらまた観たくなってきた。


インシテミル 7日間のデス・ゲーム

ミステリの世界観をうまくパロディ化したミステリである原作を、なぜか設定だけ借りてきてシチュエーション・ホラー風に。結果面白みがなくなった。しかも最初から最後まで予想外のことが何も起こらない。


君に届け

多部未華子がいなければ成り立たなかった映画化。周囲から不気味がられている少女が実は笑うとかわいいなんて、少女マンガでは当たり前だが美人ぞろいの芸能界で映像化するとどうしてもうそ臭くなる。が、一重まぶたの和製レニー・ゼルヴィガー、未華子ちゃんならできるのである。しかも三浦春馬までが特に欠点のない王子様的なキャラを出番が少ないのに絶妙にさわやかに演じちゃっている。結構泣かされてしまった。こっぱずかしー。未華子ちゃんファンなら必見。


BECK

堤幸彦監督は、マンガの映画化をするとマンガの中の名場面を、登場人物のビジュアルから画の構図からそっくりそのまま再現してちょっとファンを喜ばせるところがあるなと思う。20世紀少年のシリーズでも散見された手法だ。本作でもバンドメンバーのキャスティングの納得感はなかなかのものじゃないかと思う。
原作がおもしろいので映画も面白い。ただコユキのボーカルが最後までないままなのはちょっといかがなものか。天才ゆえに音声を消して観客に想像させるのはよくある手法だし、クライマックスのライブでは臨場感と佐藤健の良さもあって声が聞こえたような錯覚さえ一瞬起きたが、結局声が聞けぬままのフラストレーションは残ってしまった。たとえ天才的にうまくなくてもいいから、佐藤健君の魅力的な声で歌ってくれたほうが良かったような気がする。


カイジ 人生逆転ゲーム

もともと原作ファン。原作では貧乏人たちが血の通った描写で描かれ、金持ち達がものすごく貧乏くさくて、それをある批評家が「このころ作者自身貧乏だったので、彼の想像しうる金持ち像に限界があったんだよ」と語っていた。映画は金持ちたちの描写がリアルで貧乏人が絵空事。つまり映画の製作者達は、貧乏人を想像することの方が難しいってことなのかな?


チェンジリング

イーストウッドにアンジェリーナ・ジョリー。素晴らしい女優に素晴らしい演出。しかし史実のショッキングさの方が印象的だ。史実に忠実であるがゆえに脚本的にはやや収まりが悪いのだが、観るべきところの多くある映画だと思う。佳作。


毎日かあさん

小泉今日子と永瀬正敏が、ほんとに奇跡のキャスティングだなーとしみじみ。いい感じのわけアリ感というか、微妙なつながり感というか。原作は散文詩的な雰囲気なので、映画にするにはもう少し物語として整理したほうが良かった。


うーんまだまだある気がします。思い出したときにでも。
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ken

satocoさん、意外と日テレ映画観てますねw
それはさておき、「マーサの幸せレシピ」をリメイク版とともに見比べていらっしゃるのは、オリジナルファンとして嬉しい限り。
僕もオリジナルをもう一度観てみたくなりました。
by ken (2011-12-30 21:52) 

Sho

御紹介されているなかで実際に観たのは「告白」です。
同じ監督の「嫌われ松子の一生」に比べると、すこし斬新さが弱い気はしました。
しかし、松たか子という人は、本当にすごい物を内蔵している女優さんだと思います。これでもかこれでもかとどんな役を与えられても、絶対に演じられる。例えば「夜鷹」を演じろといわれれば、演じられる人だろうなと思います。この人がかつて月9に出ていたとき、「どうせお嬢さん芸なんだろう・・」と思っていましたが甘かったです。
お芝居をずっと続けて欲しいです。
by Sho (2011-12-30 22:45) 

satoco

>kenさん
日テレ映画もですけど結構TV局の映画は見ている気がします。あ、「海猿」は見てませんケド(^_^;
「マーサの幸せレシピ」は本当にいい映画ですね!見始めてすぐ目が離せなくなった映画でした。nice! ありがとうございます。

>Shoさん
「嫌われ松子の一生」はいい映画だと思います。「告白」は原作もそうですけど冒頭の新鮮さのせいで全体が少し高く評価されすぎな気がしますね。
松たか子は私はポスト大竹しのぶと勝手に思ってます。舞台もいいんですよ。私は声が好きで。実は彼女の歌も好きです。
by satoco (2012-02-07 16:03) 

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