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K-20 怪人二十面相・伝 [映画関連]

2008年 佐藤嗣麻子 監督

久々にホームシアターで見たことを後悔してしまった作品。劇場で見るべきだった。
と言っても別に劇場で見なければならないくらいとびきり素晴らしい映像!とか名作!とかそういうことではないのだけれど...映像はなかなか凝っていて、話は単純な冒険活劇なので目で楽しむ映画なのは確か。しかし雰囲気のある凝った映像のはずが、ホームシアターだと微妙に暗くて重く見えてしまってね。頭をからっぽにできず、荒唐無稽なストーリィになかなか乗れなかったのである。あまり予備知識のない状態で見たのもあり、ミステリかと思っていた映画前半はテンポが悪く感じられ、退屈ですらあった。

が、物語後半、話の内容が冒険活劇になってきたあたりから俄然勢いが良くなり、わくわくして見られる映画になる。

この映画の後半は、要するに宮崎アニメである。
世界観はスチームパンク風で、アニメでいえばスチームボーイの感じが近いかな。
そして主人公はルパン3世で、刑事さんはまるきり銭形のとっつぁん。ヒロインはクラリスばりにウェディングドレス姿で主人公と一緒に宙づりになり、無事降りられるかと思わせといて落下するところまでおんなじ。で、ラピュタに出てくるような可愛いメカやアクロバティックな空中キャッチもあり、最後にハグしようとしてこらえるシーンあり、悪役の退場の仕方まで、いやもう何から何までそっくり。
で、それらのいただきの連続が不快かと言うとそうではなくて、実写に姿を変えて見せられてもやはり宮崎アニメの活劇演出は面白いんだなあと再認識できるのである。映像のセンスもいいし。楽しめます。アクションは、まんまスパイダーマンとバットマンだし。


松たか子。今回もきっちりこなす。もう少し年齢の若い子の方があっている役なんだけれど、そこは芝居でカバー。金城武は大好きなんだけど...今回も体を張っていてすばらしいのだけれど...やはりセリフ回しは下手なんだよなあこの人。彼の下手さが物語に乗れるかどうかというところをだいぶ邪魔している。残念。

格差社会に気付いてすらいなかったヒロインの成長が一応物語の縦軸なのだけれど、その辺のストーリィはさして感動的ではない。頭をからっぽにした方が楽しめる作品だ。
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ken

頭を空っぽにした方が楽しめる、は全く同感。
正月映画として、申し分の無い作品だったと記憶しています。
膝を打ったのは、ジブリ。
なるほど確かにそうですねえ。いや1本とられました。
TBさせて下さい。
by ken (2012-02-23 23:22) 

satoco

まさに正月映画という作品でしたね。楽しみました。
ところで最近久しぶりにTBのところを見たら、kenさんからのTBをいくつも未承認のまま放置していたことに気づきました。申し訳ありません。
TB,ほんとはすごく嬉しいんです。
それとnice! も、ありがとうございます。
by satoco (2012-03-12 01:32) 

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