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インセプション [映画関連]

2010年 クリストファー・ノーラン監督

話が複雑だとか、ちゃんと見ていないとついていけないという説を聞いていたので、落着いて見られるタイミングを待っていたら公開から3年もたって、やっとの鑑賞ということになってしまった。

夢を共有することで他者の深層心理に入り情報を盗み出したり植えつけたり、というアクションを軸とした絢爛豪華な胡蝶の夢。
壮大でイマジネーションに富む映像美とスリル満点のアクション描写のおかげでSFアクション物のように見えなくもないが、話の本質は、人にとって現実とは何か、というテーマである。

身構えて見てみたものの、ストーリー展開も夢の各階層の描写もすっきりと明解で、内容を追うという意味では複雑どころかいたって簡単。夢を共有するメカニズムや虚無の定義など、作品中では語られずぼかされている部分に興味を持ち出すと話が複雑になってしまうし、突っ込みどころもありすぎるくらいなのだが、そういうことは気にせずストーリィに乗れるように、スリリングなストーリィテリングも美しい映像もきちんと用意されているのである。

エンディングが現実か夢の中なのか、でいろいろに解釈されているが、大事なのはそこが夢か現実かではなく、主人公がそれを現実として受け入れたことだと監督は語っている。確かにそうなんだけれど、それが万人にとって客観的な現実など存在しないという前提での結論であるとするならば、その前提はちょっと悲劇的なような気がするのだけれど...。

マトリックスなどのバーチャルリアリティものを見慣れている目で見ても、人の精神世界の自由さは面白い。中盤のパリの街のシーン、クライマックスの無重力アクションは特に圧巻。しかもスローモーションで美しく見せる。ステキ。
キャスティングが隅々まで適材適所で素晴らしい。特にお気に入りエレン・ペイジとマリオン・コティヤール。マリオン・コティヤールは夢に出そうなほど怖い。

SFアクションのように見えて胡蝶の夢のお話、でありながらも、現実、非現実を語る部分に突っ込みどころもあり、結局は映像とアクションが魅力的だったりする。 好きな作品。
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