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憧れていたハンサム [映画関連]

本日クリストファー・リーの訃報を知り、ショックを禁じ得ません。
年齢を考えれば、仕方のないことかもしれません。
好きな俳優さんやミュージシャンの訃報を聞くのは初めてではありません。

しかし....ショックです。

思えばクリストファー・リーは初恋の人でした。

まだ小学校低学年だったと思います。彼のドラキュラ映画を観ていた私は、最初はホラー映画を観ているつもりでした。
しかし物語のなかで、人間たちが彼に魅せられてうっとりとその手にかかる姿を見て、その気持ちがわかると思ってしまったのです。
殺されてしまうのに。
そのくらい、ドラキュラ伯爵は魅力的だったのです。

そんな風に感じた自分にとまどうくらい、私にとって衝撃的な経験でした。

幼かった私に背徳の味を教えたクリストファー。
その後も精力的に色々な作品に出演されていましたが、いつも格好良かったなあ。
お年を召してからもハンサムでした。

今夜は「ロード・オブ・ザ・リング」でも観ます。

夢売るふたり [映画関連]

2012年 西川美和 監督監督

「ゆれる」を見たときに、西川監督は物事を生々しく描く人だと思った。どんな場面でも現実味があり、それでいて、細やかな演出は雄弁に物語をかたる。
で、本作、主演がどんな芝居もナチュラルかつ的確に見せる松たか子。
この相乗効果が本当にすごい。

ヒロインの人物像は脚本の時点で十分に作り込まれている。それを松たか子が演じると、さらにリアリティあふれるキャラクタになるのである。
悪女で犯罪者。でも大いに共感してしまう。ものすごいゲスな話でもあるのに、きれいごとにせず、でもアリだと思わせてしまう力業。尾籠な場面もどうにか見せちゃう品の良さ。

松たか子はいつもきっちりいい仕事をするけれど、これまでの出演作ではまだまだ役不足の感があった。本作では、松たか子のパワーをかなりのところまでみることができる。狂気じみたうつろな目とか、すごいよ。


勿論ほかもよくて、阿部サダヲ始め、騙される女優の皆さんも適材適所でそれぞれ存在感がある。
阿部サダヲはいわゆるイケメンとは違うが、そう、実際もてる男というのは、彼が演じた貫也のような男性なのである。
女性の目から見て、女性たちの姿も一人一人とてもリアルだ。  

相変わらずの細やかな見せ方も冴えている。さりげないけど凝ってるんだよね。

見てすっきりはしないし、「ゆれる」ほどの感動はないけれど、見応えのある佳作だと思う。
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Ted 吹き替え版 [映画関連]

2013年 セス・マクファーレン監督

可愛らしい熊のぬいぐるみが、中身はおっさん、話す言葉は下品そのもの、というのがウリの本作。確かにテンポの良い下品なオヤジトークは、本物のオヤジがしゃべっていたらいらつくはずなのに、かなり笑えてしまうのはクマの可愛さゆえ。強面のマーク・ウォルバーグがこれまたテディベアに依存する幼稚なおっさんを好演して可愛さを添える。いや可愛く見えるのは私がマークを好きだからというだけだろうが。 

昨今のハリウッドでは、主人公は成長しないのがトレンドらしいが、幼児性を捨てることなんかない!と、その大切さをここまで声高に訴えられるとやはり少々複雑だなあ。どこの世界でも女は相手の子供さを許すか許さないかを試されているのだろうか。


そうはいっても、私自身少々普通の女性から逸脱しているからか、本作のガキ男どもの下らないやりとりには結構共感してしまったり。とくに世代がドンピシャなもので、引用されたりオマージュされている膨大な小ネタがいちいちツボで。アラフォーの映画好きならきっとニヤリとするセリフがあるのでは。

吹き替え版では笑いのネタも今日的な日本のネタに変換されていて工夫がある。ただ今の流行りがかなり反映されているので、時期を逃すとつまらなくなりそう。有吉弘行の吹き替えはすごくうまい!
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苦役列車 [映画関連]

2012年 山下敦弘監督

話も結構おもしろいし、役者さんも一人一人本当にいいし、映像のトーンも好き。
身も蓋もない内容の割にはポップな雰囲気で見やすい。
しかし所々、見ていてすごくしんどい映画だった。

森山未來、やり過ぎだって。うますぎ。身体もいつもよりゆるんでいるし、顔もむくみぎみ。全編呂律も怪しい。主人公のすがすがしいまでのロクデナシっぷりが、リアルすぎる役作り故に時々シャレにならなくて辛すぎるのである。

そもそも、醜い部分も敢えて正視して人間を描くのが文学。生々しい描写は、それを文字で読むときは読み応えとなるものだが、映像になったとき、必要以上の見苦しさにつながってしまうのである。


そうはいってもなかなかおもしろい、いい映画だと思う。世の親たちよ、子供には教育を。

私は役者としての森山未來も買っているけれど、ふつうに男性として日頃の格好良い彼に憧れてもいるので、今回はさすがと思いつつも複雑でした。
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インセプション [映画関連]

2010年 クリストファー・ノーラン監督

話が複雑だとか、ちゃんと見ていないとついていけないという説を聞いていたので、落着いて見られるタイミングを待っていたら公開から3年もたって、やっとの鑑賞ということになってしまった。

夢を共有することで他者の深層心理に入り情報を盗み出したり植えつけたり、というアクションを軸とした絢爛豪華な胡蝶の夢。
壮大でイマジネーションに富む映像美とスリル満点のアクション描写のおかげでSFアクション物のように見えなくもないが、話の本質は、人にとって現実とは何か、というテーマである。

身構えて見てみたものの、ストーリー展開も夢の各階層の描写もすっきりと明解で、内容を追うという意味では複雑どころかいたって簡単。夢を共有するメカニズムや虚無の定義など、作品中では語られずぼかされている部分に興味を持ち出すと話が複雑になってしまうし、突っ込みどころもありすぎるくらいなのだが、そういうことは気にせずストーリィに乗れるように、スリリングなストーリィテリングも美しい映像もきちんと用意されているのである。

エンディングが現実か夢の中なのか、でいろいろに解釈されているが、大事なのはそこが夢か現実かではなく、主人公がそれを現実として受け入れたことだと監督は語っている。確かにそうなんだけれど、それが万人にとって客観的な現実など存在しないという前提での結論であるとするならば、その前提はちょっと悲劇的なような気がするのだけれど...。

マトリックスなどのバーチャルリアリティものを見慣れている目で見ても、人の精神世界の自由さは面白い。中盤のパリの街のシーン、クライマックスの無重力アクションは特に圧巻。しかもスローモーションで美しく見せる。ステキ。
キャスティングが隅々まで適材適所で素晴らしい。特にお気に入りエレン・ペイジとマリオン・コティヤール。マリオン・コティヤールは夢に出そうなほど怖い。

SFアクションのように見えて胡蝶の夢のお話、でありながらも、現実、非現実を語る部分に突っ込みどころもあり、結局は映像とアクションが魅力的だったりする。 好きな作品。
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ゆれる [映画関連]

2006年 西川美和 監督

タブレットでの更新。今後はpcよりも多くなりそうなので、長文は書けなくなりそうです。

さて本作。
公開当時好評を聞いていたのに見逃してしまい、今更の鑑賞になってしまった。

久々に深い満足感を感じる作品。主演二人の確かなお芝居は見応え充分であるが、それ以上にとにかく脚本がすばらしい。スリリングでいて、現実感に溢れ、胸が締め付けられるほどせつない。
見せ方もすごい。
例えば香川照之が、こぼれてしまったお酒を這いつくばって拭いていると、倒れたままの徳利から残ったお酒がしたたり、彼の足をまた濡らす。情けない。そんなことはわかっている。それでも笑顔で床に這いつくばるしかないのが彼の境遇なのだ。それをクローズアップで見せる。うまい。

登場人物の複雑な心境が行動を引き起こすため、そこを謎として様々な解釈がされているようだが、丁寧に汲み取りながら見ていくと、どんな言動にもきちんと必然性がある。彼らを取り巻く環境も実にリアル。

しっかりした内容をうまい見せ方で描いた映画。ゆれる、というタイトルも秀逸。
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テルマエ・ロマエ [映画関連]

2012年 武内英樹 監督

いわずと知れた大ヒット作。原作マンガの方は映画以上にベストセラーであり評価も高いのだが...
私は実は最初の方だけ読んでさほど食指が動かなかった。
タイムスリップや古代ローマ帝国という壮大さと、現代日本の風呂という卑近なモチーフのコントラストが面白いのだとは思うが...正直さほどの新鮮味を感じず。

映画は映画で、公開前から濃い顔の役者を集めたことで話題になり...日本人がローマ人を演じるってところがまず面白いでしょ?と。まあたしかに。昨今、顔が濃いというのは必ずしも褒め言葉ではない場面もあるのに、名だたる俳優さんたちに向かって顔が濃い顔が濃いと堂々と言い放つプロモーションは楽しそうだった。

そんなキッチュな悪ノリ感に対して、壮大なセットと大量のエキストラと役者さんたちの真剣すぎる演技のコントラストを楽しむ映画なんだと思う。

ギャグ映画らしく映像は大げさで、でも決して安っぽくなく...というのは普通褒め言葉なんだけれど、私はなんとなくすわりの悪さも感じてしまったり。
いろんなもののミスマッチを楽しむ映画ではあるのだが、ひいてみるとやっぱりちょっとちぐはぐさにまとまりのなさも感じてしまい、もう一つ。

原作は続けていくことでじわじわとおかしみが出てくる作品のような気がするので、それを単発の映画で再現するのは難しい。

阿部ちゃんは本当にこういうのが似合うなあ。実に楽しそうでした。
上戸彩ちゃんもすごくちゃんとしています。

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懐かしい(?)モノ発見 [映画関連]

実家で着物を整理していたらこんなお宝が....

DSC_1621.jpg

ベン・ハー新春ロードショーですって。
昭和43年の新聞です。私生まれてません。

新宿武蔵野館が新築で、入場料大人500円だそうです。

映画宣伝のフォーマットって、今も昔もさほど変わってないですね。
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先生を流産させる会 [映画関連]

映画を観る本数に比べてレビューを書くことが少なくなると、そこで書こうという映画は、必然的に見たものの中でも印象に残っている作品になる。良くも悪くも。名作や佳作が印象に残るのは当然だが、きちんとした良い作品でもレビューには繋がらないこともある。駄作やそこそこの作品でも印象に残ることもある。ただとにかく、私の感覚でいえば印象に残っている作品であるということだけは確かだ。


さて本作。
2011年 内藤瑛亮 監督

なんという凶暴なタイトルだろう。悪趣味だ。こういった内容の映画を作ることには反対はしないが、そのままタイトルにするのはちょっとどうかなと私は思う。と思ったら実話をもとにした作品であり、先生を流産させる会なるものが実際に存在したのだという。なるほどそう聞くとなんとなく納得しなくもないが、実話ならどんなに凶悪なタイトルでもOKなのか?しかしだからこそ衝撃的なのも事実で、私もこのタイトルを見て興味を持った一人である。

妊娠した担任の先生を流産させようと、中学生が給食に異物を混入した事件がもとになっている。加害者を男子生徒から女子生徒に変更して脚色したこの映画は、思春期の少女が抱く性というものへの嫌悪感をテーマに盛り込んで分かりやすくまとまっていると思う。実際の事件はどうもいたずらの延長とか悪ふざけという印象なのだが、映画では一段掘り下げた形になっている。

ただそれによって実際の事件の凶悪さが押し隠された感があるのは気になるところだ。
男子生徒が起こしたこの事件は、幼稚な悪意がいとも簡単に目の前の妊婦への暴力という形をとってしまう所に多くの問題を含んでいる。根っこにある無意識な女性蔑視とかね。監督は幼稚な男子のありがちないたずらになってしまったら映画としてつまらないと判断したそうで女のドロドロ話になったわけだが、深刻な結果を引き起こす行為があまりに無造作に行われる所に男性から女性への暴力の怖さがあるのだけどね。

まあそれでもなかなかに良くできていて面白い。胸糞悪くなるような描写も多々あるので、観るには少々覚悟が必要。

何より印象的なのは、ヒロインを演じた小林香織。本作がデビューでお芝居もまあ実に固いのだが、とにかくすごく凶悪で、強烈に可愛い。日本人離れした美貌なのに、その笑顔は子供ならではの無邪気な悪意に満ち満ちていて圧倒される。彼女に比べれば「告白」の殺人男子学生なんてカワイイものである。



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ご無沙汰です [映画関連]

なんと半年も放置しておりました。

理由はしょうもなくて、ただノートPCが壊れたってだけのことです。
でもってデスクトップPCのある部屋は普段あまり使ってないので足が遠のき、さらに夏場はエアコンもない部屋なので暑くてさらに足が遠のき...だらだらと今に至っております。

この間にも沢山映画を観ていました。
そして長々とブログを更新しないでいることに慣れ、映画を観ても別に何も書かなくてもいいんだよなあ。今の自分にはそういうスタイルが心地いいってことだよなあ、とまで思っていました。

そもそもこのブログに映画のことを書き始めたのは、映画を観たときに誰かにその話をしたかったからというのが発端ですが、最近はもう自分の中だけで完結しちゃってもとくに欲求不満を感じなくなってきて。

以前は自分が観た映画の本数が気になったり、ブログに書かないまでも記録を残しておきたかったり、とにかく自分自身で把握していたかったのですが、そういうのってただの若気のいたりだったかも。曖昧模糊とした記憶の中で、「ああそういえばその映画観たかも」くらいで十分を思えるようになってしまいました。

と、思いつつも、最近また別件でPCを使うことが増えているのでまたぼちぼち映画の感想も更新していこうと思います。
もともとゆるいブログでしたが、今後はさらにゆるゆるとした運営になる予定...
どうもすみません。
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