テキサス・チェーンソー

有名ホラー「悪魔のいけにえ」のリメイクだが、怖くは、ない。殺人鬼の姿ははっきりしていて、いかにその手から逃れるかというショック系ホラー。私はショック系には強いのもあるが、緊迫感が持続しないので、ショックがあまり強くない。ハラハラ度が低いのだ。

冒頭で、道路でフラフラしている女の子を拾ったところから話が始まる。で、主人公たちが脅威に出会い、逃げ出した女性がこの女の子と同じような状態になる、というリンクがちょっと面白い。殺人鬼と周囲の人物たちはみな不気味で、アメリカの、市街地まではるかに遠く、人もあまり通らない場所ではこんなことがおきても不思議じゃないという感じもして、｢こんな状況に追い込まれたらたまらないなぁ｣という嫌な気分にさせられる効果は十分。ショックで恐怖を感じるよりむしろこの嫌な感じの方が面白い。

最近のホラーの主人公たちは強くて、脅威に敢然と立ち向かい、対等にバトルするけれどこの映画の主人公たちは、結構抜けている。敵が落としたチェーンソーを拾わなかったり。十分ひどい目にあっているのにまだ人を信用したり。でもそれが普通なのだろう。