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ビッグ・フィッシュ [映画関連]

好きなティム・バートンとユアン・マクレガーの映画だけれど、ストーリィがバートン色じゃないのもあって、劇場公開のときになんとなく見逃してしまった。BSで初鑑賞。

バートンのこれまでの映画はいろいろあれど、共通していたのは、はみ出し者の悲哀と彼らへの暖かい目線。そして世の中の厳しさ。劇中のはみ出し者は当然バートンの投影であるし、私も少々はみ出しているので大いに共感するものがあった。

さて本作でははみ出し者はホラばっかりふいているお父さんだろう。しかしこのお父さんはみんなに好かれている。それがこれまでとは違うところ。バートン監督もいまやすっかり人気者なので、その辺がこういった映画の変化にも現れているのかもしれない。
ホラばっかり吹いている父親と父のそんなところが許せない息子。しかし父の最期に直面し、またホラの中にあった本当の一片を知ったことで息子もまた、父の世界を少し理解する。そして最後は現実と虚構が上手い具合に入り混じった新しい世界が展開される。

今までファンタジーの力を借りてマイノリティであるはみ出し者の声を形にしてきたバートン監督が、そのファンタジーの力そのものをテーマにした、新しいメッセージを伝えてきたように感じた。

全編よくできていて、お父さんが語ったホラ話のシーンは美しいの一言。息子が語った父の死についてのエピソードもとても美しい。

出演者たちがどんぴしゃ。ファンタジー世界でのファム・ファタール、アリソン・ローマンがとてもかわいいのはもちろんだが、その美少女が大人になった姿として現実世界に生きているジェシカ・ラングが本当にキレイで愛情に満ちていてとてもステキ。父と子の物語なのだけど、やがて来る夫の死を思ってジェシカ・ラングが泣きそうになるシーンは思わずもらい泣きした。

現実というのは普通に生きていたらつまんないものなのかもしれない。だから現在に沢山の幻想を持ち込んで面白くしてしまうのが「ライフ・ウィズ・ビューティフル」のお父さん。エピソードを脚色して面白くしてしまうのが本作のお父さん。どちらもとびきりの愛妻家なのが、また美しい。人生に魔法をかけるものといえば、やはり恋に勝るものはないのだなぁ。


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