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誰も守ってくれない [映画関連]

2009年 君塚良一監督

モントリオール世界映画祭で脚本賞をとった作品というだけあり、すじがきはなかなか面白い。

ある日突然、「殺人犯の妹」になってしまった中学生の少女。ついさっきまで笑顔で友人たちと授業に参加していたのに、家には警察官が踏み込み、殺気立ったマスコミが殺到し、家族はバラバラ。母に話しかけても返事を聞くこともできない。

その少女と、彼女を守る警察官の二人が主人公。マスコミの追及は激しく、思うように供述が取れず捜査が難航している本部からは指示も出ない。互いの心もなかなか触れ合うこともない。そんな中警察官が頼ったのは、過去に警察の過失ともいえる事件で息子を殺された被害者遺族の経営するペンションだった...。

加害者家族、被害者遺族の心境、警察官の辛い立場、プロの報道マンをも震撼させるnet上の容赦ない"晒し""祭り"の恐ろしさ。それぞれに見応えのある内容を盛り込み、飽きさせない。
ただやや盛り込みすぎてテーマ性が薄れた気もしないでもない。どのテーマも手ごわいものばかりなので、よほどしっかり腰を据えて描かないとどうにも表層的になってしまう。
一応本作のテーマは群像劇的なところから家族との結びつきや様々な事件を乗り越えて生きていかねばならない人生のしんどさあたりではあるのだが、問題の多さ、深さに脚本がついていけているとは正直言い難い。

マスコミが殺到するあたりの迫力は大したものだし、佐藤浩市や志田未来もすごくがんばっていて、前半は見応えがある。それだけに話を収束させるべき後半が散漫になってしまったのが残念。
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