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エスター [映画関連]

2009年 ジャウム・コレット=セラ 監督

残酷な美少女をモチーフとしたポスターが美しく、興味を持った。情報を見てみると衝撃のラスト、少女の意外な正体に言及しているものが多く、かなりすれた評論家の方のコメントでもこれには驚いたと書かれていることが多かった。そうは言ってもたいていの"衝撃のラスト"にはびっくりしなくなっている私なので、たいして期待せずに見てみた。

なるほど、びっくりとまでは行かないが、一ひねりしたなかなかいい設定である。とくにエスターを演じた子役が上手く、この意外な正体がじつにしっくりはまるお芝居をしているところが素晴らしい。

惜しむらくはこの正体が少女の恐ろしさに直結しないところ。この少女がなぜ怖いのか、というところに正体の意外性が関連してこない。むしろ物悲しさがただよってしまったりして。正体がばれる前の印象の方が恐ろしい気がするのだけれど。

家庭に侵入してきて家族にいさかいを起こし主婦を孤立させる筋書きと言うと、犯人は冷徹で計算高いというイメージがあるが、エスターはわりと感情的で合理的でない行動も目立つ。家族間の問題も盛り込みすぎて生かしきれていず、脚本の完成度はあまり高くない。設定は面白いので、もっと突っ込んでもっと深く鋭い作品にすることも十分可能なはず。惜しい。

子役の好演もあり、エスターというキャラクタはホラーの悪役としてはとても存在感がある。「ソウ」シリーズのジグソウにも負けてないんじゃないだろうか。たぶん作らないだろうけれどシリーズ作品をもう1,2本作っても持ちそう。私は大いに気に入った。

エスターをはじめとして、弟や妹役の子たちまで、子役がみんなすごくいいお芝居をしている。末っ子がものすごく可愛いです。
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hash

>ジグソウにも負けてない
印象深い悪役でしたね。
エスターが死なない別エンディングがあるようですから、シリーズ化を考えていたのかもしれません。
by hash (2010-12-05 00:33) 

satoco

>hashさん
ロシア時代(?)のエピソードとかみたいですね。
まあ子供が演じているのであんまりやるとアメリカの人権団体やなんかが怒りそうですが。
nice! ありがとうございます。

>hide-mさん
nice! ありがとうございます。


by satoco (2010-12-15 21:58) 

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